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ニョロっと黒光りする巨大な新種の生物、見た目のインパクトだけじゃない…! 海底の有毒ガスを食べる

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黒光りする、巨大なエントツガイ。

新種の生物が見つかることはそんなに珍しくないとはいえ、これまた見た目も生態もすごいのが見つかりました。その名も「エントツガイ」、野球のバットくらいの大きさの白い筒状の殻に入っていて、海底の泥の中の有害な化学物質を食べて生きているんです。こんな見た目でも二枚貝の仲間。

以下のGIFではその生々しい質感を確認できますが、近々貝類とかうなぎとか生っぽいものを食べる予定のある人は、この部分を見ないことをお勧めします。


via GIPHY

フィリピン大学や米国のユタ大学による研究チームは、Proceedings at the National Academy of Sciencesに掲載された新たな論文でエントツガイ、学名Kuphus polythalamiaの生態を史上初めて解き明かしてくれました。その存在は18世紀から知られていましたが、ときどき見つかるのは殻だけで、中身の入った状態で捕獲できたのは今回が初めてでした。というのはエントツガイがどんな場所を好んで生息しているのか、長い間謎だったんです。

が、あるときフィリピンのTV番組の中で、海の浅瀬の泥から大量のエントツガイの殻が突き出ている映像が映し出されました。それを見たユタ大学の研究チームはフィリピンでの探査を決意し、狙い通り身の入ったエントツガイを発見、捕獲に成功したのです。

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殻の先端を外すと、中身が見えてきます(image: Marvin Altamia)

研究室に戻ったチームはエントツガイの外側の泥を洗い流し、先端のフタのような部分を取り去りました。そして、黒々としたむき身をテーブルの上に流し出しました。

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むき身のエントツガイ(image: Marvin Altamia)

「ワクワクでした。我々は長いこと(エントツガイに)触れてみたいと思ってきましたし、この動物はとても奇妙です」Haygood氏は米Gizmodoに対しこう語りました。「水槽の中を見て、この動物の水管から水が強く噴き出しているのを見たとき、この動物たちが生きて、健康でいることに大興奮しました。筒を開けたときは、その体のものすごい色に衝撃を受けました。普通のフナクイムシの薄い体色とはまったく違っているのです」

フナクイムシを巨大にしたようなエントツガイは、流木や木造船を餌とすることでよく知られているフナクイムシと近い親戚関係にあります。フナクイムシも、名前はムシですが実際は貝で、長く柔らかい体をしており、木を食べては自分に寄生する細菌の力で木を分解し、養分としています。一方エントツガイは、泥の中に住んでいます。研究チームは、親戚であってもエントツガイはフナクイムシと大きく違う生き物だろうと予想していましたが、それは的中したのです。

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image: University of Utah

「フナクイムシが(木の中を掘った)トンネルを薄い殻で覆うのに対し、エントツガイは厚く重く頑丈な筒を作り出しています」とHaygoodさん。「フナクイムシは、掘り進んだ穴の一番深い部分は殻で覆いません。彼らはその部分の木を削り、食べているためです。エントツガイの筒は口が殻で覆われているので、フナクイムシと同じように食べることはできません」

じゃあエントツガイがどうやって生きているかというと、泥の中で生まれる有毒ガスを食べており、フナクイムシ同様、細菌を使って養分を引き出しています。エントツガイの住む泥の中では、火山とか温泉に漂っているあの腐った卵みたいな臭いの元、硫化水素が生み出されています。硫化水素は単に臭いだけじゃなく毒性があるので、ときどき温泉とかで死亡事故があるくらいです。でもエントツガイにとっては、というか厳密にはそのエラ部分に住み着いている細菌にとっては、その硫化水素が食料なんです。細菌が硫化水素を有機炭素に変換し、それをエントツガイが食べる、というわけです。

太陽じゃなくて有毒ガスがエネルギー源になっている違いがありますが、光合成によく似たプロセスです。なので、エントツガイは植物に近いと言いたくもなるのですが、専門家はそれを否定します。

「エントツガイの細菌は、フナクイムシの共生生物よりも植物的です」とHaygood氏は言います。「エントツガイはこれら植物的な細菌が作り出した食料を食べていて、それは人間が植物を食べるのにも似ています。でもエントツガイと細菌の関係は、我々と食料の関係よりもはるかに密接なのです」

重要なのは、エントツガイはフナクイムシとは違う細菌とパートナーを組んでいることです。これによって、木を食べる存在から泥の中の有毒ガスを食べる生き物へと進化できたのかもしれません。

地球環境破壊の深刻さが叫ばれる中、今もこんな生物多様性があることを確認できたのは素晴らしいことです。ただ、もしもつぶ貝とかサザエとかを食べながらこの記事を開いてしまった方がいたら、すみませんでした!

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image: Marvin Altamia / PNAS, GIPHY, ユタ大学
source: PNAS
reference: コトバンク

George Dvorsky - Gizmodo US[原文
(福田ミホ)


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