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嵐・相葉雅紀主演“本格ミステリー”月9『貴族探偵』11.8%スタート! フジテレビに希望はあるか

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 2015年冬クールの『5→9 ~私に恋したお坊さん~』を最後に、5クール連続で全話平均視聴率が1ケタに沈んでいるフジテレビ月9枠。今クールの『貴族探偵』が不調に終われば、いよいよ枠そのものの撤廃も視野に入ってくるといわれています。

そんな『貴族探偵』の初回視聴率は、11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まずまずの結果。しかし、数字以上に好印象な作品となっていました。

物語は、正体不明の「貴族探偵」を名乗る男(相葉雅紀)が側近を引き連れて殺人現場に乗り込み、鮮やかに事件を解決していくというもの。ところが、肝心の貴族自身が推理をせず、執事や運転手、メイドたちが実際に事件を解決するというのが、本作の特色です。

原作は麻耶雄嵩という作家さんの『貴族探偵』(集英社)と、その続編となる『貴族探偵対女探偵』(同)。ドラマでは第1話から女探偵が登場していますので、人物配置は『──女探偵』を下敷きとしつつ、両書から事件を引用していくようです。

この『貴族探偵』シリーズという作品。「主人公の貴族が推理をしない」というところ以外は、ゴリゴリの本格ミステリーです。麻耶さんは一般的な知名度こそ低いものの、一部ミステリーファンからは熱烈な支持を受ける推理小説界のトリックスター的存在だそうです。

原作を一読してみたところ、ガチガチに事件の設計を固めて伏線をばらまき、読者の視点を思いのままにコントロールしながら解決に落とし込むこと「だけ」に特化した作品だと感じました。とにかく事件の概要説明と現場の状況、容疑者の配置や関係性を手抜かりなく説明して、その事件を論理的に解決する。一見、極めて精緻なミステリーに見えて、時おり強引な推理の踏み抜きが行われたりして(みんなが犯人だと思っていた人が、実はソックリさんだったとか)、不思議な味わいの小説でした。

そして、不思議な味わいといえば、やっぱり「貴族探偵」という人物そのものの奇怪さです。なぜいつも事件の現場にいるのか、なぜ警察の上のほうと通じていて現場の捜査員から追い出されたりしないのか、っていうか、そもそも「貴族」ってなんなのか、というあたりは一切説明されません。ただ、いるのです。そして、側近に事件を推理させるのです。自分は紅茶を飲んだり、事件の関係者の女性とディナーに行ったりするだけ。登場人物というより、マクガフィンとして扱われている感じといえばわかりやすいでしょうか。動的には機能していないけれど、それがないと物語が展開しないという存在です。とはいえ「貴族探偵」も人間ですので、この配置によって、人物描写のリアリティに「一般人」と「貴族一派」という2本の線が引かれることになっています。

その2本の線の描写が、ドラマになったときに、ことごとくうまくいっていると感じたんです。成功してるぞ、と。

相葉くんの演技は、いつにも増して、とことん“棒”です。しかし、貴族然とした衣装に身を包み、突拍子もない行動を繰り返す「貴族」ですので、その演技プランに生活者としてのリアリティは必要ありません。むしろ、相葉ちゃんがバカみたいな振る舞いをすればするほど、原作小説では人物像がボヤけていた「貴族探偵」の輪郭が、よりくっきり見えてくるという好循環が起こっています。執事・山本(松重豊)と運転手・佐藤(瀧藤賢一)の“無表情コンビ”は盤石ですし、メイド・田中を演じた中山美穂の浮世離れした存在感も、「貴族」の世界観をよく表しているように見えてきます。

普通、ここまで荒唐無稽なバカ貴族軍団を4人も登場させれば、ドラマそのものが散漫になりそうなものですが、容疑者や被害者、女探偵(武井咲)や鼻形警部補(生瀬勝久)との掛け合いが実にリズミカルに、テンポよく描かれることで飽きさせません。そして、もともとミステリーを構築するというジャンルでは「現役の日本チャンピオン」ともいえる麻耶さんによる事件設計なので、どれだけ演出面で弾けても根幹がブレないのです。原作の段階で、「謎を作る」「謎を解く」という作業そのものに、作家の魂が込められているからです。プロが作った原作をプロが料理している感じがして、たいへん気持ちがよかったです。

いや、1話だけでここまでベタボメするのもどうかと思うんですが、前作の『突然ウンコしました』みたいな作品があまりにひどい出来だったので、もうフジテレビの月9には真面目にドラマを作ろうとする人は誰もいないのかと絶望していたんです。今回、少しはいるよ、ということはわかった。面白いものを作ろうと思っている人が、少しはいた、ということがうれしかった。やっぱりなんだかんだ、フジテレビを見て育ってますし、フジテレビに愛着があるんですよ。

ドラマはまだFODで見られますので、事件のあらましについては、とりあえず今回は記しません。「ジャニーズ」だとか「月9」だとか「フジテレビ」だとか、そういう単語だけで敬遠している方がいるなら、1話だけでいいから見てみてほしいと願うのです。少なくとも、近年の連続ドラマでは見られなかった本格的な推理と、戯画的な演出による楽しさを併せ持った良作だと思います。

逆にいうと『貴族探偵』を、ちょっと数字が悪いからって『ラヴソング』みたいに壊しちゃうようだったら、もうフジテレビは救いようがないなと思います。はい。(文=どらまっ子AKIちゃん)

外部リンク(日刊サイゾー)

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