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東京女子ダイアリー

【代々木上原・スミレの場合 vol.02】不倫は25歳で卒業

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会社の先輩であるワタルとの不倫旅行中に、生放送中のロケに出くわし私の携帯電話が鳴ったところまで前回は書きましたね。

その電話は静岡に住む母からでした。実家からの電話、しかも早朝ということで今思い出しても相当な緊張感がありました。
(監修:地主恵亮



私はゆっくりと通話ボタンを押しました。母がまるで散歩に連れ出された犬のように元気いっぱいに「もしもし」と言い「スミレ、いま金沢にいるの?」と続けました。

考えていた緊張感は解放された気がしましたが、違う緊張感が生まれました。なぜ私が金沢にいることを知っているのでしょうか。不倫旅行です。もちろん誰にも言っていません。

母は「いまね、旅サラダって番組を見てたらね、ラッシャーさんの後ろにあんたみたいな子が映ってたのよ」と言いました。

旅サラダはテレビ朝日系で放送されている、土曜日の朝の番組です。ラッシャー板前さんが、各地のイベントや市場に出向いて、生放送するコーナーがあり、私はそれで出くわしたようでした。

そして、私がそこに偶然映り込んでいたそうなのです。

代々木上原を散歩していると当時の事を思い出します。


私は「代々木上原の家にいるけど」と嘘をつき、「私っぽい人、目立っていた?」と確認しました。

母は「小さいけど、あんたに見えたのよねー」と言って、電話を切り、最近覚えたであろう、写メを送ってくれました。そこには小さく、私とワタルが映っていました。

代々木八幡宮は散歩中によく寄る場所です。


ワタルは「どうしたの?大丈夫なの? やばい? なんかやばいの?」と隣で焦った声を出していました。

その姿を見たとき、急に熱が引いたように全てに冷めてしまった気がしました。 「なんでこんな男の為にコソコソしなければならないのか」と…

ワタルと不倫関係になり、ズルズルと付き合っているうちにもう3年が過ぎ、私は25歳になっていました。

もっと堂々と母に「いまテレビに映ってたでしょ!彼氏と旅行に来てるの」と言ってもいいはずなのにです。私の心のラッシャーが、もっと違うパートナーがいると言ってくれてる気がしました。

代々木八幡宮で見かけた猫ちゃん


「不倫は25歳で卒業」そう決めて、東京駅に着くと新幹線のホームでワタルに別れを告げました。

その後会社を辞めることも考えたのですが、気づいたらワタルのほうが先に転職していました。

奥さんに告げ口されるとでもおもったのでしょうか? 私はそんな女性と思われていたんだと思うと更に失望は深まりました。

代々木上原にある東京ジャーミイ。外国に来たような雰囲気です


ワタルと別れてからしばらくは、どこか心にポッカリと穴が開いたような生活でした。

そんなに鬱々しているのが嫌で休日になると私の家からも見える「東京ジャーミイ」に通っていました。

「東京ジャーミイ」はモスクです。イスラム教徒でなくても入れるので、私はそこに通い、屋根がドーム型の礼拝堂でただただボーッとして時間を過ごしました。

静かなこの空間と、たまに聞こえる向こうの言葉は目をつむっている私を日本ではないどこに連れて行ってくれる気がして心が楽になるような気がしました。

文様を目で追うだけでも楽しいです。


そうしてジャーミイに通う生活が1年ほどたったある日、いつものように、礼拝堂で目をつぶっていると、「スミレ?」と声をかけられました。

今まで一度もここで知り合いにあったことがなかったので、驚きました。振り向くとそこには大学のサークルで一緒だった「ハルキ」が立っていました。

黒く、おそらくいいものだけれど、嫌味ではないジャケットを着こなしたハルキは、ニコニコしながらこっちを見ています。

ハルキは野外に設置する大きな看板広告のデザイナーで、今度この井の頭通りに新たに設置する看板の下見に来ていたらしく、たまたま東京ジャーミィを見つけて寄ったそうです。

カタネベーカリー


ハルキとの再開は5年ぶりでした。私たちはせっかくなので、ハルキの下見が終わるのを待って、「カタネベーカリー」に出かけました。

ブルーボトルコーヒーなどにもパンを卸している代々木上原で知らない人はいない美味しいパン屋さんです。バゲットを食べながらお互いの知らない5年間を埋めるように会話をしました。



会話を続けていくうちに、ワタルとは違う気持ちが湧いてきました。

私は「新しい恋に落ちた」そんな気がしていました。それはまるでハリッツのドーナツように甘い甘い恋心です。

代々木上原にある古民家を使ったドーナツ屋「ハリッツ」。ふわふわで何個でも食べられそうです。


【代々木上原・スミレの場合 vol.03】心のラッシャー、恋の背中を押す に続く

(監修:地主恵亮

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