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パク監督が「映画通にとっての女神」と話す日本人女優とは?

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『オールド・ボーイ』や『渇き』などで映画ファンを魅了するパク・チャヌク監督。死とバイオレンスの詩人と評された監督の新作『お嬢さん』は意外にも、莫大な財産相続権を持つ令嬢をめぐる官能サスペンスだ。


舞台は日本統治下の朝鮮半島で、令嬢の叔父が収集する浮世絵や春画が重要な小道具となっている。

「準備段階で入念にリサーチし、浮世絵や春画は本やインターネットで勉強しました。劇中で使った葛飾北斎の『蛸と海女』のように、実際にはありえない、奇抜な想像力を駆使して性を描くのが春画の魅力だと思います」

映画を撮るまでは官能について深く考えてなかったというパク監督。官能的な映画を挙げてとの質問で頭に浮かぶのは、日活ロマンポルノやアダルトビデオではない。

「僕が官能を感じるのは、いわゆるポルノではありません。例えばベルナルド・ベルトルッチ監督の『暗殺の森』のように、普遍的な人間ドラマにちりばめられている官能は、とても素晴らしいと思います。増村保造監督の映画も同様で、若尾文子さんが出演した作品はグッときます。韓国の映画通にとっての女神なんですよ(笑)」

パク監督が考える官能性とは、つまり直接的な性描写ではなく、表情や視線、言葉の裏に秘められたもののようだ。とはいえ、劇中ではハードな濡れ場が展開する。

「僕が描きたかったのは、心を通わせる行為としてのセックスです。体を使った会話と言い換えてもいい。だから台詞も多いですよ。言葉を交わし、相手の顔も見つめて表情を読む。感情的な喜びと肉体的な快楽を表現してこそ、本当の官能が伝えられると思います」

露骨な卑語も飛び出すため、アメリカ人記者から理由を問われたと笑うパク監督。「愛を描いた映画で愛を表現する描写があるのは当然だ」と言い返したそう。

「官能性は人間にとって大切な要素です。ただ大衆文化はそれを真正面から見据えない。恋愛映画に登場する愛し合う男女がおしゃべりして、終わり(笑)。性愛が無視されるのは、不条理ですよね」

最後に、監督が考える官能的な女性について尋ねてみた。

「自分の欲望を隠さず、しかも自認している欲望を伝えられる女性です。伝えるときも相手をドギマギさせる会話術が重要ですね」

Who is若尾文子?
1952年、銀幕デビュー。増村保造監督と『青空娘』や『卍』などで組んだ大映の看板女優。ベッドシーンもOKな女優として人気獲得。ソフトバンクCM出演を機に“あやや”として認知度UP。
パク・チャヌクさん 1963年、韓国生まれ。映画評論家を経て、『月は…太陽が見る夢』で監督デビュー。『JSA 』で注目され、『イノセント・ガーデン』でハリウッド進出。

映画『お嬢さん』 サラ・ウォーターズの『荊の城』の舞台を1930年代の朝鮮半島に置き換えた官能サスペンス。監督/パク・チャヌク 出演/キム・ミニ、キム・テリほか 3月3日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー。(C)2016 CJ E&M CORPORATION, MOHO FILM, YONG FILM ALL RIGHTS RESERVED

※『anan』2017年3月8日号より。写真・KENTA AMINAKA 取材、文・山縣みどり

(by anan編集部)

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