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SMAPが「ジャニーズドラマ」に残した功績――俳優としての5人を印象づけた代表作レビュー

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――『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ』(宝島社)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、SMAP各メンバーの出演作から印象的だった作品を振り返る。1990~2010年代のジャニーズドラマに及ぼしたSMAPメンバーの功績とは?

SMAPは5人の個性がいい意味でバラバラだったグループだが、得意とする役柄も見事にバラバラだった。

中居正広 『ナニワ金融道』(96年2月~、フジテレビ系)
 バラエティを主戦場としているため、出演作こそ少ないが俳優・中居正広にはほかの俳優にはない魅力がある。代表作は単発ドラマとしてシリーズ化され、2015年に久々の新作が発表された『ナニワ金融道』で演じた金融屋の灰原達之だろう。90年代の放送当時は、泥臭い原作漫画のテイストを考えると、若手アイドルの中居が演じるには無理があるのではないかと思ったが、同世代の若手俳優と共演した恋愛モノよりも、小林薫や緒形拳のようなおじさん俳優と並んだ方が、その存在に違和感がないと感じた。中居が得意とするのはダークヒーローモノだ。中でも映画『模倣犯』で演じた劇場型犯罪者のピースが印象に残っている。後の『白い影』や『砂の器』(ともにTBS系)にも通じるダークサイドが魅力的だった。

■木村拓哉 『ロングバケーション』(96年4月期、フジテレビ系)『HERO』(01年1月期、14年7月期、同)
 俳優・木村拓哉の歴史は、90年代以降のテレビドラマの歴史そのものとも言える。ヒット作が多く代表作を選ぶのは難しいが、あえて選ぶなら恋愛ドラマの金字塔と言える『ロングバケーション』と、型破りの若手検事を演じ、文字通り「ヒーロー」としての木村拓哉のイメージが確立された『HERO』だろう。SMAP解散の影響を一番受けるのはおそらく木村だが、自由で自然体のヒーローを演じ続けてきた彼が今後、どのようなイメージを打ち出してくるのか注目している。

■稲垣吾郎 『流れ星』(10年10月期、フジテレビ系)
 SMAPの中で俳優として今一番面白いのは稲垣吾郎だ。正統派美少年として先陣を切って、テレビドラマの世界に飛び込んでいった稲垣だったが、今の彼はSMAPのメンバーの中で唯一、主演以外の役も演じるようになっている。その結果、何を演じても不気味な存在感をみなぎらせており、敵か味方かわからない、警察の上司みたいな役柄を演じさせたら稲垣の右に出るものはいない。転機となったのは、映画では『十三人の刺客』において演じた悪役のお殿様役で、テレビドラマでは上戸彩が演じる妹に歪んだ愛情を見せる兄を演じた『流れ星』が印象に残っている。

これ見よがしに狂った演技をするのではなく、演技のトーンは普段の“吾郎ちゃん”のまま、非道なことを平然とおこなうのが実に恐い。

■草なぎ剛 『TEAM』(99年10月期、フジテレビ系)
 草なぎ剛というと、ヒューマンドラマの『僕』シリーズ(フジテレビ系)が有名だが、近年は『スペシャリスト』(テレビ朝日系)等のピカレスクヒーローモノが好評で、単純な善人というよりは影のある少し嫌な奴を演じた時が一番映える。そんな中、今でも忘れられないのは、少年犯罪を扱った刑事ドラマ『TEAM』だ。草なぎが演じたのは、少年犯罪を調べるために警視庁に配属された文部省(現・文科科学省)の若手キャリア。ロボットアニメが好きというオタク属性も当時は新鮮だった。

香取慎吾 『家族ノカタチ』(16年1月期、TBS系)
 90年代は幼いベビーフェイスとワイルドなボディーのギャップで、セクシーな存在感を振りまいていた香取慎吾だが、00年代に入ると『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(TBS系)の両津勘吉のような漫画のキャラクターが増えていき、演技力というよりは本人の無垢さを生かした漫画/アニメ的なキャラクターを演じることが多かった。

そんな中、新境地となったのは『家族ノカタチ』で、謝罪会見から解散に向かう過程で露呈した、“アラフォーの独身中年男性”としての香取の姿が垣間見られた。なんというか、人間・香取慎吾に初めて肉薄できた連続ドラマだと思う。

【ジャニーズドラマにおけるSMAPの功績】
 今や“ジャニーズドラマ”はジャンルとして定着しているが、その中でSMAPが果たした役割は、トレンディドラマ以降の「恋愛ドラマ」や「お仕事モノ」の伝統を引き継いだことだろう。本木雅弘などの例外を除くと、SMAP以前は男性アイドルがテレビドラマで主演を果たすということは異例なことだった。

一方、ジャニーズドラマにはKinKi Kids・堂本剛が主演を務めた『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)の流れを汲む、漫画/アニメ的なキャラクタードラマがある。演出家の堤幸彦や脚本家の宮藤官九郎といった作家性の強いクリエイターと組むことで、アイドルでありながらこんな斬新な表現をするのか、というドラマを作り上げてきた。現在のテレビドラマにおける主流は後者で、SMAPもまた、香取を筆頭に『こち亀』等のキャラクタードラマに多数出演していた。

年齢を重ねても年相応の役を演じることができないため、年齢不詳の漫画的なキャラクターを演じ続けなければいけない苦悩をジャニーズアイドルは抱えており、それはそのままアラフォーになってもアイドルとして活躍し続けたSMAPの苦悩とも重なる。

しかし、最も年齢を感じさせないキャラクター的存在だった香取が、『家族ノカタチ』で年相応のアラフォー男性を演じるようになった今、おそらく今後のSMAPメンバーは、年相応の中年男性として、大人の魅力を見せることができる俳優に成長していくのではないかと思う。


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