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家康にも効果大、驚異の丹田呼吸法「真田丸」17話

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NHK 大河ドラマ「真田丸」(作:作三谷幸喜/毎週日曜 総合テレビ午後8時 BSプレミアム 午後6時)
4月24日放送 第17回「再会」 演出:土井祥平


小日向、堺、内野が腹式呼吸
真田源次郎信繁(堺雅人)は、豊臣秀吉(小日向文世)の“馬廻衆”になった。“馬廻衆”とは、5月6日に放送された特集番組「真田丸第二幕“秀吉チルドレン”それぞれの正義」(見応えある特集番組だった)で「現在の“SP”」であると説明していた。
なかなかハードな仕事についた信繁だが、17回の彼の仕事は主に、茶々(竹内結子)に虫がつかないか見張ることと丹田呼吸法を徳川家康(内野聖陽)に教えることだった。

17回の裏サブタイトルは「丹田」だと思う。
キーワードは「丹田」そして「芝居」。

主な見どころはふたつで、そのうちのひとつは、7回で追っ手に囲まれ琵琶湖に飛び込んだ松(木村佳乃)が出雲の歩き巫女・藤として現れ、信繁を驚かせること。もうひとつは、徳川家康(内野聖陽)がついに秀吉に忠誠を誓うことだ。三谷幸喜はこのふたつのエピソードを「芝居」を使って関連づけて見せる。実際、秀吉は能をとても好んだそうで、17回の秀吉も、出雲の阿国(シルヴィア・グラブ)率いる歩き巫女たちの芸に目を輝かせていた。また、家臣・片桐且元(小林隆)のことを「腹芸ができない」と批判することで、秀吉自身は腹芸重視でのし上がってきたふうに思わせる場面もあった。
秀吉は実妹・朝日(清水ミチコ)と実母・大政所(山田昌)を徳川へ人質に出すことで、上洛を拒む家康の説得材料にし、その甲斐あって、いよいよ家康は上洛し、秀吉と会うことになる(天正14年〈1586年〉)。その前日、家康をこっそり訪ねた秀吉は、ここでは腹の内を見せ、謁見の場でのやりとりを事前に打ち合わせる。
家康と秀吉の仲をとりもつ係として立ち会った信繁は、「わしは芝居は苦手じゃ。あがってしもうて体ががっちがちになってしまうのじゃ」と困惑する家康に「そういう時には丹田ですよ」と丹田(へその下5センチのところにあるツボ)を意識した腹式呼吸を伝授する。
この丹田に関する知識は、出雲の阿国から得たものだ。
丹田を大事にするのは戦国時代の役者たちに限ったことではない。現代の役者たちも丹田を意識した腹式呼吸を基礎としている(いわゆる「腹から声を出す」というやつ)。自由劇場出身の小日向文世、文学座出身の内野聖陽、東京オレンジ出身の堺雅人が顔つきあわせて丹田呼吸をしている様子は、ありそうでなさそうな不思議な光景だった。

秀吉が家康に事前に会っていることは史実に残っているが、丹田呼吸法伝授などは想像の産物だろう。歴史愛好家にはお馴染みの“陣羽織”エピソードも、事前に秀吉が家康に口立てで台詞を教えたこととして描かれる。家康は「殿下、芝居がどんどん難しくなっております」と音を上げながら、翌日、みごとに演じきるのだった。
その晩、石田三成(山本耕史)は「今宵のことは誰にも話すな」と信繁に釘を刺し、信繁は「言ったところで誰にも信じてもえらえないと思います」と返す。史実を大胆にアレンジしユーモラスに描いた脚本を“誰も信じないようなお話”と自ら先に断っておく用意周到さ。
用意周到といえば、冒頭4分くらいのところで信繁は「ふーふー」と荒い息をしている。秀吉が家康に真田を攻めさせようとしていることを聞き、興奮状態であることがこの息でわかる。この後、信繁は、阿国から丹田呼吸法で体の力を抜くことを教わる。将来的に信繁が立派な武将になっていくのは、阿国に習った丹田呼吸法の効能ではないかと思わせるエピソードだ。

そんな信繁こと堺雅人と出雲の阿国には因縁が。2006年、NHKのドラマ「出雲の阿国」に出演していた堺。この時は阿国を裏切る役だった。
「真田丸」で阿国を演じたシルヴィア・グラブはミュージカル俳優で、三谷の舞台「国民の映画」やミュージカル「ショーガール」に出演している。面白いのは、「ショーガール」は元々、1970~80年代、木の実ナナ主演で人気を博した舞台で、それを三谷が2014年に演出した時、主演をシルヴィア・グラブがつとめた。元祖ショーガール・木の実ナナのもうひとつの当たり屋が、出雲の阿国。1990年初演のミュージカル「阿国」は、何度も再演を繰り返す人気作だった。ショーガールで木の実ナナの後を継いだシルヴィア・グラブが「真田丸」で阿国を演じるのも、なんらかの縁が働いているように感じざるを得ない。このように微妙なリンクも興味深いとはいうものの、このへんはマニアック過ぎる見方であって、それよりも、三谷幸喜の素敵なところは常に誰もが楽しめるエンターテインメントに徹し続けていることだ。17回では、茶々と信繁ときり(長澤まさみ)の奇妙な恋模様や、きりと阿国のコントなどを盛り込んだり、16回の信繁心の声に続いて、今度は信幸(大泉洋)の手紙の声で状況説明をしたりと、手を替え品を替え楽しませてくれる。

とりわけ、三成が信繁に「もっとものごとの裏を読め 素直なだけでは生きていけぬ」と忠告し、それから「薄っぺらい小僧」呼ばわりし「なに者なのだおぬしは」と問うた後の信繁の切り返し方なんて、待ってました! 感いっぱいだった。
毎週、テレビの前で血湧き肉踊る、なかなかない体験を「真田丸」はさせてくれる。
(木俣冬)

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