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毒ガエルはどうやって自分を自分の毒から守っているか

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Image: Micha L. Rieser

たった0.01gで人間を殺せる猛毒を持つカエル。

この写真のカエル、名前は「モウドクフキヤガエル」と言います。カタカナなので一瞬では気づきませんが「猛毒吹矢蛙」です。こんな綺麗な金色で可愛く見えるのに猛毒の吹き矢のカエルです。その皮膚には2万匹のネズミを一気に殺せるほどの猛毒、神経毒性バトラコトキシンがたっぷり含まれています。そんな猛毒を常に身にまとっているカエル自身は、自分の猛毒で死なないのはなぜでしょう? 研究者チームがその謎を解き明かしました。その鍵は「遺伝子突然変異」だったのです。

ではまず、そんな猛毒がどのように作られるのでしょうか。毒は自分の体で作っているわけではなく、カブトムシや昆虫を食べて、強力な毒素を作り出し、それが皮膚に集結して来ます。こうして外敵から身を守るのです。青酸カリの850~1000倍の強さと言われる猛毒界の王者バトラコトキシンは、このフキヤカエルからしか見つからない神経毒性ステロイドアルカロイドなんです。

バトラコトキシンは、ナトリウムの出入りする神経細胞のチャネルを開きっぱなしにする作用があります。すると毒がその開いてしまったチャネルにくっつき、神経から筋肉繊維へのシグナル伝達をぶっ壊します。すると、筋肉はどうしていいのかわからなくなり、麻痺し、呼吸は止まり、心臓の鼓動のスピードは失速します。ここまで来るといい方向に向かうなんてことはありませんよね。

フグの毒で有名なテトロドトキシンもナトリウムのチャンネルに介入して、神経機能をシャットダウンすることで、外敵を殺します。でもフグが自身の毒で死なないのは、ナトリウムチャンネルの中にフグのテトロドトキシンと結合するアミノ酸が遺伝子変異で出来上がっているからなんです。では、モウドクフキヤガエルも同じ構造なんでしょうか?
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Image: H. Krisp

ニューヨーク州立大学の研究者、Sho-Ya WangさんとGing Kuo Wangさんの2人がこの不思議の解明に乗り出しました。カエルの筋肉に自然に発生したアミノ酸5種を調査し、ナトリウムチャンネルがどのように変化するかを観察しました。この5種のどれがバトラコトキシンに対して耐性となっているのか調べるために、このアミノ酸をカエルの代わりに研究用のラットに入れ替えます。そして1種類ずつ、バトラコトキシンに耐性があるか調べて行った結果、一つのアミノ酸に耐性があることが判明したのです。これにより、フグのテトロドトキシンと同じようにフキヤガエルがバトラコトキシンに対して遺伝子変異の耐性を持っていることがわかりました。

たった0.01gのバトラコトキシンで大人1人を簡単に殺せてしまうフキヤガエルですが、南米コロンビアの太平洋側の海岸沿いのみに生息していて、実は現在絶滅の危機にさらされています。この研究で必ずしもバトラコトキシンに対する解毒剤を開発できるというわけではありませんが、絶滅してしまっては、将来の研究などが全くできなくなってしまいます。猛毒界の王者には気をつけつつ、絶滅を阻止しなくてはいけませんね。

Images: Micha L. Rieser, H. Krisp

Source: National Center for Biotechnology Information, PNAS

Jake Buehler - Gizmodo US[原文
(岩田リョウコ)

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