最新ニュース、芸能、ネットの話題をまとめ読み

【江戸しぐさ】文部科学省の道徳教科書が「トンデモ本大賞2015」を受賞

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
記事画像

今月25日に東京・新宿ロフトプラスワンで開催された「と学会」のイベントで、「江戸しぐさ」を正面から大マジメに扱ったことで有名な文部科学省発行の道徳教育用教材『私たちの道徳 小学五・六年生』(廣済堂あかつき株式会社)が「トンデモ本大賞2015」を受賞したことが発表され、注目を集めています。

「江戸しぐさ」は、NPO法人江戸しぐさなどが"江戸時代の町人に由来する"と主張し普及させようとしていた「傘かしげ」「うかつあやまり」「こぶし腰浮かせ」といったキャッチーなしぐさを擁するマナーの一種。

80年代頃からその存在が確認される同しぐさは、2000年代に公共広告機構(ACジャパン)の広告に取り上げられたことなどから広く普及。企業の研修や育鵬社の公民教科書に利用されたほか、各地の教育委員会や小中学校が「○○しぐさ」を捏造し続けるなど、教育関係者に大きな影響を与えてきました。
※詳しい経緯はこちら:捏造歴史「江戸しぐさ」を利用したマナー教育に批判・炎上…「やっちまった」「残念な歴史修正主義」「善意の暴走は怖い」 - Yomerumo(2015/4/2掲載)

その一方で、文明史研究家の原田実氏の研究所『江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統』(星海社新書、2014年)などをきっかけにその実在性に対する疑惑も拡大。
2015年以降は東京新聞の特集(4月)やTBSラジオ「荻上チキ・Session-22」(4月)、TBS「NEWS23」(6月)など大手メディアも検証をはじめ、現在ではその「トンデモ」性・虚偽性も広く認識されるようになっています。
▼関連記事

また、最近では江戸しぐさのウソが暴かれたことと歩調を合わせるかのように、江戸しぐさをパロディにした「エロしぐさ」なども人気に。エロコンテンツにこだわりがあるYomerumoだけではなく、ダ・ヴィンチニュースのようなまっとうなメディアまでエロしぐさを掲載するほどの影響が広がっています。
▼関連記事


▼トンデモ本大賞受賞の意味は?


日本トンデモ本大賞は、私的団体「と学会」が
「日本で前年度に刊行された数多の書物の内でもっともトンデモないもの、すなわち最高のトンデモ本」(Wikipediaより)
を選定する目的で毎年開催しているイベント。日夜トンデモ本やトンデモ物件の研究に余念のない「と学会」メンバーの投票により大賞が決定しています。

ちなみに近年では
・ 大川隆法 『宇宙人との対話』(2011年)
・泉パウロ 『3・11[人工地震説の根拠]衝撃検証 本当かデマか』(2012年)
・ ポストメディア編集部 編 『お城でBL』(2013年)
・副島隆彦 『人類の月面着陸は無かったろう論』(20周年記念の"ベスト・オブ・ベスト"、2011年)
など錚々たる面々が並ぶ中、今回は「江戸しぐさ」を大マジメに……つまり何の疑いもなく掲載した文部科学省の道徳教材が見事その栄冠に輝きました。

なお、奇しくもほぼ時を同じくして東京都現代美術館による撤去要請があったことが報じられた会田誠氏らによるユニット「会田家」の作品「檄」も、「文部科学省に物申す」と題し同省の教科書や道徳教育に対する疑問を表明していました。

また、文部科学省が全国の国立大学に対し人文系学部の廃止や転換を求める通知を出したことも報じられ、各界で大きな波紋を呼んでいます。
※関連記事:国立大学“文系廃止”通知に学術会議が批判声明/TBS News-i

今回、文部科学省の道徳教材が「トンデモ本大賞」を受賞したという事実は、単に一冊の教科書の瑕疵を指摘するものではなく、あるいはただのサブカル文化人の余興的楽しみにとどまらず、その背景にある現在の文部科学省やこの国の教育のあり方に一石を投じるものに成り得るのかもしれません。

※画像は『私たちの道徳 小学五・六年生』(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/doutoku/detail/1344254.htm)より。

(文責・メメン外森)

▼あわせて読みたい


関連ニュース

Yomerumoをフォローする

Yomerumoから人気記事をお知らせします!

Mail

※メルマガは朝刊と夕刊の2誌に登録となります

Twitter

時事最新記事

記事一覧

注目ニュース

> もっと見る

フォトギャラリー


掲載情報の著作権はニュース提供元企業等またはGMOアドマーケティング株式会社に帰属します。記事の無断転用を禁じます。
すべての人にインターネット
関連サービス